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ブロックチェーンとは？
図のようにある中央組織が管理をする集中管理型のシステムから管理を分散させた分散型台帳へと変化させたものがブロックチェーン技術の仕組みです。信頼性という部分では、全ての取引履歴を分散して監視しているため、非常に高いと言えます。改ざんが不可能であるのは、こういった構造で成り立っているのです。
暗号化技術
この暗号化技術というものは普段のメールなどでも用いられている技術であり、ブロックチェーン特有のものではない。サーバー間のやり取りの中で攻撃されてしまい情報が抜き取られるリスクがあったが、この技術を用いることでそのリスクを低減することができる。ブロックチェーンにおいても採用されているテクノロジーである。
コンセンサスアルゴリズム
このブロックを分散的に管理するにあたって、コンセンサスアルゴリズムが採用されている。例えば、本人が箱の中にペンを入れたと言ったとしても、それが事実なのかを証明するものはない。そこで、第三者がその人が行った行動のすべてを監視し不正できないようにする構造をコンセンサスアルゴリズムという。
ピア・トゥ・ピア
個人のデバイスを無数に繋いでネットワークを形成し、データ交換を可能にするような技術のことを指す。よく対比されるのが「クライアント・サーバー型」だが、大きく違う点は管理が中央集権化しているか分散しているかというものである。ピア・トゥ・ピア形式であるbitcoinでは、多くの個人がデータを管理・監視をしており、スピード感を持ってやり取りをすることができる。
DLT(分散型台帳技術)
文字の通りブロックチェーンには分散型台帳技術といった特徴がある。例えば、AさんからBさんへ10,000円送金をした場合、そのデータが改ざんされてしまえばその取引が正しいのかが不明になってしまう。しかし、DLTを用いれば誰もが同じ通帳を所持しているので、不正をしようともできないような仕組みになっている。先ほども言ったとおりに、取引履歴を分散して監視するという点がブロックチェーン技術の特徴の一つである。
ブロックチェーンが社会変容を起こす！？
ブロックチェーンの活用により従来の中央集権型社会から管理が分散する分散型社会の形成がなされるのではないかという仮説が多く立てられています。ブロックチェーン技術は「分散型台帳」と呼ばれ、現在仮想通貨の関連でよく使われるワードになっており、ブロックチェーン技術は、仮想通貨での利用が一般的に認知されていたが、現在では人工知能やロボット、NFT、メタバースなどにも利用され、その幅は広がりを見せています。
勘違いされがちですが、ブロックチェーン技術は単に仮想通貨の運用技術ではないのです。ブロックチェーンとは、分散型モデルを形成するための基盤になっている技術の名前です。そんなブロックチェーン技術を利用することで、中央集権型の社会から分散型の社会へと未来の社会が変容するのではないかと仮説が多く飛び交っています。実際に、ビットコインではブロックチェーンの分散型台帳の仕組みを利用し特定の管理者が存在しない取引が行われています。ビットコインの時価総額は現在2021年9月時点で約87兆円とされており、仮想通貨の中でもランキング1位に位置づけています。（コインマーケットキャップ）この事例は、ブロックチェーン技術を利用して多くの取引が行われ、管理者が分散する分散型の社会形成の一部を満たしているといえるのです。
ブロックチェーンの活用事例
仮想通貨
仮想通貨とは、ビットコインやイーサリアム、リップルなどのブロックチェーン上で運用されているデジタルゴールドのことを指す。仮想通貨は金融機関を経由せずに、人から人へ直接的に金を動かすことができる、いわゆるピア・ツー・ピア・ネットワークを採用しているので、資金が流動するスピードが従来のものよりも早い。個人間の取引だとセキュリティ面が不安に多くなってしまうが、コンセンサスアルゴリズムにより不正や改ざんができない安全なシステムになっている。
NFT
NFTは、「非代替性トークン」と呼ばれ、デジタル上で物を所有する際に唯一無二のものとして保存される仕組みのことを指す。例えば、ビットコインなどの仮想通貨は、AさんとBさんが同じ量保有していた場合、Aさんの仮想通貨とBさんの仮想通貨で見分けるということはできない。しかし、NFTの技術を使えば見分けることが可能になる。NFTでは、ハッシュといったIDのようなものが付与されるので、誰がそのものの保有者なのかを見分けることが可能になる。
これを活用して最近では、NFTアートが話題を生んでいる。今までデジタル上にあったイラストや画像は、著作権侵害が多々起こっていた。NFTという概念が出たことによって、出品者はアートの権利を定量化することができるようになった。それによって作品がコピーされたとしてもそれが贋作であることが証明できるようになった。
NFTアートは、OpenSeaというプラットフォームが有名で全世界で利用されている。8月の1日あたりの流通総額が最大となったのは8月29日で、約330億円（約3億5000万ドル）を記録している。そして8月の月間アクティブユーザー数は約22万人となっている。7月は約6万人なので約3.7倍となっている。ちなみにメルカリの2021年6月の4Q決算説明会資料によれば、2021年メルカリ2Q（4月～6月）の流通総額（GMV）は1，970億円と発表されており、OpenSeaはそれを上回る数値を8月1ヶ月で示していることになる。
DeFi
2017年になると、今までの中央集権型の金融取引の概念を抜本的に改革する形となる、分散型金融であるDefiが誕生した。Defiでは、イーサリアムのブロックチェーンが基盤となっており、スマートコントラクトをブロックチェーン上で自動的に実行する仕組みが実装されている。Defiでは、中央集権の金融機関が管理する必要がなくなるので、審査などのステップを踏まずに素早い資金の移動が可能になっている。今まで資金を遠くに渡す方法としては銀行振り込みが主な手段として利用されていたが、Defiの仕組みを使うとデバイス一つで資金を素早く渡すことが可能になる。
GameFi
GameFiとは、ブロックチェーン技術を活用して作られたゲームのことであり、普通のゲームとは異なり、キャラクターやアイテムをNFTとして付与される仕組みになっている。例えば、普通のゲームだと複数のプレイヤーが同じキャラクターを使うことができ、同じキャラクターを持ったプレイヤーが多く存在することになる。対してGameFiだと、一つひとつのアイテムやキャラクターにハッシュが付けられ唯一無二のものになる。ゲーム内キャラクターやアイテムを非代替性にしたことで、価値が保存されプレイヤーの心を擽るものになっている。代表的なGameFiでは、アクシー・インフィニティやクリプトスペルズといったものがあり、アクシー・インフィニティではゲーム内で仮想通貨を稼ぐことができ、平均所得の低いフィリピンでは人気が高いGameFiとなっている。
メタバース
Metaverseとは、Meta（超越した）+universe（宇宙）を組み合わせた造語であり、オンライン上の仮想空間で人が活動することを指す。2021年10月には、Facebook社が社名を「Meta」に変更しMetaverseに積極的な姿勢を見せた。時価総額が世界でもTOPレベルであるGAFAの一社がそのような動きを見せたということは、今後世界でも注目の的になると言えるだろう。Meta社では、2021年9月にバーチャルリアリティ機器「Oqulus Quest2」のビジネス会議用ソフト「Horizon Workrooms」を公開した。メタバース領域には10年間をかけて10兆円を投資していくことを表明しており、積極的な姿勢を見せている。
DAO
DAO（Decentralized Autonomous Organization、自律分散型組織）というものが流行している。DAOの利点としては、何といっても改ざん不可能なデータということと情報が公開されているという点がある。DAOでは、スマートコントラクトによって契約された改ざんが不可能なものを自律的に実行される。パブリックブロックチェーンを用いることで、そのデータは可視化され実際にどのような契約が実行されているのかを誰もが確認することができる。DAOのように自律した組織の運営が分散することで、今までの株式会社や合同会社とは異なった形態の会社が出来得るのではないかと考えられる。例えば、フリーランスに記事作成の案件を発注する際に契約等をスマートコントラクトで済ませ納品するという仕組みを行うことができる。また、スマートコントラクトではある程度のルールを自動的に適用することができるので、毎回取引の度に設定を変更する手間などが省ける。しかし、巨額の取引をする時もあるので不正取引やハッキングを警戒しなければいけないのが課題点である。そして、新しい技術の為法律に違反していないかも大事な指標になってくる。このような課題をクリアした先には会社という概念を抜本的に変えるものになり得るのではないかと考えられる。
ブロックチェーンにより中央集権型から分散型社会へとシフトするのか？
日本の規制やブロックチェーンビジネスの現状を踏まえると、完全なる中央集権型社会の形成は難しいと言えます。例えば、ブロックチェーンビジネスでよく代表例として挙げられるものにOpenSeaというNFTマーケットプレイスがあります。NFTとは、先述の通り、非代替性のトークンのことを指しブロックチェーン上で取引され唯一無二のコンテンツを手に入れることができるのです。P2Pでの取引がされており、一見完全なる分散型モデルと勘違いされやすいですが、実際には運営が規制をしようと思えばどこまでも規制できてしまうのが現状です。したがって一部分散型、多くの部分は中央集権型といった社会が現状のブロックチェーンビジネスであり、今後も完全なる分散型社会の形成は難しいのではないかと考えます。
